山梨の冬、寒いですよね。
甲府では-5℃くらいまで下がることは珍しくもなく、忍野村に至っては-20℃くらいまで気温は下がるようです。
八ヶ岳おろしも容赦なく吹き付け、外で仕事をしている人は芯まで冷え切ってしまうのでせめて家にいる時くらいは暖かく過ごしたいですよね。
これからマイホームを建てるなら、冬こそ暖かくほっとできる家にしたくありませんか?
冬の朝、顔の冷たさで目が覚めて、温度計を見ると1℃台。空気も床も冷たくて、窓を見れば結露がびっしょり。石油ファンヒーターのタイマー設定は絶対条件。
あなたにもこんな経験があるんではないでしょうか?
私もアパートに住んでいたころは毎日こんな状態でした。しかし、断熱や気密、換気を意識してマイホームを建築したあとは一度も家の中で寒さに震えることはなくなりました。
私は断熱性の高い家にこだわりがあり、断熱性能の高い家を作ることで知られているスウェーデンに赴き、この目でその技術と断熱に対する考え方を学んだ経験があります。
そういった経験があるので、山梨の厳しい冬でも暖かく過ごすことができる家づくりの専門的な知識を持っています。
断熱性の高い家を建築することによってエアコンの性能や台数に頼らなくても、少ないエネルギーで冬を暖かく過ごすことが可能です。
でも、断熱性についてしっかりと理解をしていないと、せっかく家を建てても冬に寒い思いをすることになってしまいかねません。
そこで、冬でも快適に暮らすために必要な断熱についての知識をお伝えしますね。
目次
断熱性能の高い家はどんな家?
断熱性能の高い家は「家の中の熱を外に逃がしにくい」ことが最大の特徴です。
この特徴が幾つものメリットを生みます。
まずは何といっても暖かいこと。
朝、顔が冷たくて目を覚ますようなことはありません。気密性や換気とも関連しますが結露も見ることはなくなります。
次に暖房費が抑えられること。
快適な家でより長く住むためには外壁の塗替えなどメンテナンスが必要になります。節約できたお金でメンテナンスして家を守ってあげることもできます。
最後は最大のメリットです。
それは住む人の健康を守ること。室内どこもが暖かく温度差のない家は快適なだけではなく、血圧の大きな変化を抑え体への負担を少なくします。
例えばリビングだけが暖くて、ほかの部屋とは大きな温度差がある家には大きな危険があります。トイレやお風呂で大きな温度差による血圧の急激な変化「ヒートショック」による死亡事故は年間で交通事故の4倍もあるというデータがあります。
人を守るべき家が人を傷つけてしまう。あってはならないお話です。家の中、どこへ移動しても温度の変わらない断熱性能の高い家は健康住宅とも言えます。
断熱性の高い家は何を基準に選ぶのか
家を建てようと考え始めた時、最初に住宅メーカーや工務店のHPをチェックして気になる会社をピックアップしてそこへ足を運ぶと思います。
その時出会った営業さんからは「うちの建物は高断熱で暖かいですよ」「断熱材は○○で○○mm入っています」と説明されると思います。
それってどの位暖かいのか、言葉だけでは分かりませんよね。
よく似た話で健康診断を受けると結果は「健康な体ですよ」という言葉では示されません。健康状態を表す全ての項目に数字の基準があって、診断の結果が数字で表されてきます。
それと同じで、断熱性能も数字で表せるのです。
断熱性能は、家の中の熱がどれだけ外に逃げていくのかを示すUa値という数字で知ることが出来ます。
このUa値というのが、断熱性の高い家を建てる為に重要なキーワードです。断熱に関する細かい話は色々とありますが、Ua値を元にすれば間違いない判断をすることが可能です。
この値が小さければ小さいほど熱が外に逃げづらく、断熱性能の高い家ということになります。
断熱性能を知るためには「ここの会社のUa値はいくつですか?」と聞いてください。そうすれば断熱性能を数字で知ることが出来て住宅会社の比較もできますよ。
Ua値は暖かい家か、寒い家かを判断する目安
少し専門的ですが、Ua値(外皮平均熱貫流率)とは、家の外周1㎡あたり、内外温度差1℃の時、1時間あたりで何ワットの熱が逃げるか?という数字です。
わかりにくいので簡単に説明をすると、Ua値が高いと熱が家の外に出やすく、Ua値が低いと熱が家の外に出にくいので暖かい家になるということです。
Ua値が倍違うと、単純に倍の熱が家から外に逃げてしまうことになります。この数字が暖かな家の目安になりますね。
Ua値は何によって変わるかというと、ほとんど全て断熱材の厚みによります。非常にシンプルですね。
単純に、断熱材の厚みが厚ければ厚いほどUa値は低くなり、薄ければ薄いほどUa値は高くなってしまいます。
ただ、断熱材の厚みを増やすとその分建築費用が高くなってしまいます。ただ、断熱性能を高めることで光熱費を節約でき、快適な住環境を実現することができます。
キッチンやエアコンなどの設備にお金をかけるよりも、こういった家の性能を左右する部分にお金をかけるのは賢明と言えるでしょう。
どれくらいのUa値ならいいの?
これを見ているあなたは、Ua値という言葉をきっと初めて知ったと思います。
なので、どれくらいの数字が高くて、どれくらいの数字が低いのかをイメージするのは難しいですよね。
1つ基準になるのが、Ua値0.87という数字で、これは暖房をしていない部屋で室温が概ね8℃を下回らないというのが基準になっています。
後ほど詳しく記載をしますが、私自身は甲府市周辺ではUa値0.87以下の住宅を建てるべきだと考えています。
より少ないエネルギーでもっと快適な暮らしを求めるなら、暖房をしていない部屋で室温が概ね13℃を下回らないUa値0.46の断熱性を目指してください。
このUa値が実現できると、寒い日でも20度くらいの温度設定のエアコンでも十分に家全体を暖かくすることができます。また、エアコンの行き渡らないトイレや洗面所でも寒さを感じることはなくなります。
山梨県の断熱等級を知っておく
平成28年に定められた省エネルギー基準でみると山梨県内では「3地域」「4地域」「5地域」と3つの地域に分かれます。ちなみに、「1地域」というのが北海道の中でもかなり寒さが厳しい地域になります。
・3地域 → 富士吉田市、忍野村などの郡内地域、あと旧小淵沢町。
・4地域 → 北杜市、都留市、旧上九一色村など。
・5地域 → 甲府市を中心に3,4地域以外。
3地域は北海道の函館市あたりと同じですからやっぱり寒い地域ですね。
国土交通省によると、地域ごとのUa値の基準数値は
・3地域 → 0.56
・4地域 → 0.75
・5地域 → 0.87
となっており、このUa値以下の家を建てることが推奨されています。
5地域である甲府でもUa値0.46程度の家を建てることをお勧めしています。
山梨で冬暖かい家を建てるなら
マイホームは好みの外観、気の合う会社や営業さん、予算との相談など感性や直感で選ぶことも大切です。
しかし、それ以上に『家の中で快適に過ごすことができるか』というのは重要です。
特に、山梨の冬は寒いので断熱性能にはこだわって家を建てるのが良いでしょう。
その為に必要な知識をこのページではお伝えしました。Ua値という言葉を知っていれば、間違いなく断熱性能の高い家を建てることができます。
ぜひ、住宅展示場で素敵なキッチンを横目で見ながら「Ua値はいくつですか?」って聞いてみてくださいね。
山梨で冬暖かい家を建てたいのであれば、この知識は必ず役に立つはずです。
将来の家計を見据えたうえで安心して良い家を建てる為、売り手ではない第三者の立場からお客様に最適な資金計画を提案している。
また、住宅先進国であるスウェーデンへ出向き高性能住宅について学んだ経験や、設計士として建築に長年関わった経験を生かして、家の機能性を変えずに100~200万円のコストカットをする方法や、生活の質が向上する間取りの作り方等、幅広い視点で家づくりのアドバイスを行う。